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January 12, 2009

続く知的障害者の犯罪から

東金市の事件の記憶が今だ新しい中、
東京都国立市で知的障害者が
河川敷でホームレスを襲撃したとして逮捕される事件が起きた。

殺人未遂容疑で逮捕された36歳の高本孝之容疑者は軽度の知的障害者で
グループホームに入居していたそうだ。
容疑者は深夜から未明に施設を抜け出し、自転車で走り回ることが何度もあったという。

事件はその後、自宅から血痕のついたジャンバーが押収され
世田谷区で殺害された路上生活者の血液のDNA型と一致したと伝えられている。
更に周辺から押収された鉄パイプに細工した跡が見られ
「鉄パイプでホームレスを何度か殴り、鉄パイプは現場付近に捨てた」と供述していると言う。

いろいろなコメントを見た。

死刑にすべきとか、施設から出すなとか、どうせ直ぐ出てくるといったものや、
死んでしまえとか、親は出て来いといったものが多かった。
障害についてや、施設についてもいろいろあった。

その中には、知的障害者への偏見につながる事を危惧したもの
冤罪の可能性を指摘するものもあった。


予想していた以上に知的障害者に対して偏見を持った意見があり、
知的障害を伴う自閉症児の母親としては精神的にきついものがある。
ただ、よくよく読んでいくと
障害そのものを知らないように感じられた。
施設に関しては、ほとんど知られていないようだ。
尤も、私もこの立場になって始めて知ることが多く
今だ分らない事が多い。

事件そのもの関しては
犯した犯罪に対してそれ相応の刑罰が科せられるべきと思う。
だが、その捜査には配慮が必要だ。
そうでなくては、真実が明らかにならないばかりか、
冤罪を生じかねない。
何より、本質的な事件の解決につながらなくては意味がない。

さて、容疑者は知的障害というが、障害そのもの状態はよく分からない。
言う事がよく分かっていないともあったので、
自閉傾向があった可能性がある。

自閉症の人と関わっていてよくあるのが、
これが分っているのだからこれも分るだろうと思うと
まったく分っていなかったりする事だ。
これぐらい知っていて当然、理解できて当然と思われることが
どうにも出来ないのだ。
自閉傾向を持つ男の子からの話だが、
彼は挨拶する意味を理解出来ず、挨拶が出来なかったと聞いた。
こうなると知的に問題なくとも、生活するのは困難だ。

知的レベルだけで何歳程度と判断しても、
その分理解があるかと言うとそれは別問題だ。
実際、親は常にこんな事が分からないのかと理解できず混乱する。
親の中には精神的な疾患に悩まされる人も少なくは無い。

一般的にこれが分ればこれも分るはずという事が
通用しないという事があることがあること。
またそれが理解してもらえない事が、
身近で支える親にとってどれ程負担であるかはまず理解されない。

そういった親の一部は幼児期からの療育にも力を入れている。
この事件に関しても、幼児期から療育していればというコメントもあった。
だが、軽度の場合なかなか分らないばかりか、
幼児期の療育施設自体が足りていない。

家の子供達はたまたま早期の療育が受けられた地域と時期であったが、
場合によっては幼児期の療育施設が無かったりする。
あったとしても、通える人数は限られる。
実際、今現在住んでいる市全体で33人しか受け入れられていない。
後は外来としているがそれは在園の3倍にもなる。

小学校に入っても、特別支援学級はその対応は先生によるし
特別支援学校は教室も先生も足りず
学校によっては特別教室すらない学校もあると聞く。

中学までは希望すれば入れるが、
高等部になると障害者手帳が取得で来ているか、出来る見込みがないと入れないようだ。

軽度の場合、手帳が取得できるか否かでその後がまた変わる。
手帳が無くては支援が受けられない為、障害枠での就労が出来ない。
更にジョブコーチなどの就労支援が受けられない。
その中での継続支援は難しいだろう。

更に障害者自立支援法で作業所、
特に就労に繋がらない作業所に対する支援は薄くなっている。
(就労に繋がらない作業所、つまり就労できない人たちの支援は少ないと言う事)
しかも、作業所に対する支援金は日割りになっている。
登録する利用者に対して必要とする指導員がきまるが、
それが日割りになっては、指導員の確保は難しくなる。

余り知られていないが、グループホームというものがある。
世話人と障害を持つ数人が集まって生活する場だ。

今回の事件の容疑者はこのグループホームに居たそうだ。
コメントの中には施設が管理すべきとの意見もあったが、
グループホームは障害者が生活をする支援をする場所であって管理する場所ではない。

ただ、血痕の付いた衣服に関しては世話人等が気付くべきであったと思う。
今回は加害者であったが
被害者であった場合、感覚異常で気付かずに大怪我になる可能性もある。
だが、それも難しい事でもある。
十年以上も前の措置法の時代は当事者に権利は無かった。
当事者の権利を認める一方で
それを理由に支援を薄くしているように感じている。

自立は難しく、支援は足りない。
社会の理解はなかなか得られない。
理解しがたい子供でも必死に育てているが、
社会的問題を起こせば成人していても親の責任が問われる。
将来を悲観して無理心中しようものなら
親のエゴとして責められる。
確かにエゴだろうが
そこに至るまでの経緯は明らかにならない。

知的障害者が起こした事件にはそこに至る経緯や
障害状況を把握して、
事件を解明して欲しいのと共に
知的障害者が犯罪に犯さない為には何をすべきを検証して欲しい。


親として子供達を見届けたいと思うが、
年齢的にそれは難しい。
自分が死ぬ時を考えても連れては行けない。
でも、残していくには不安がある。

犯罪を犯さないように、犯罪に巻き込まれないようにと
最後は願うしかない。

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